スターにはなりませんでしたが の感想。

どきどきキャンプ佐藤満春さんの書、「スターにはなれませんでしたが」を読みました。あっという間でした。家に届いてからは時間あるときはこれを読んで過ごすことがほとんどでした。こんなに夢中になって読んだ本は久しぶりなので少し感想を書いてみようと思います。慣れないので皆目見当外れでつまらない駄文かもしれませんがご容赦ください。

この本では佐藤満春さんの人間の部分、人生観や仕事観、これまでの歴史などが綴られています。その中で一番衝撃だったのはやはり、なぜお笑い芸人になったのか、という部分です。

率直に言うと、消去法とのことです。これには驚きでした。特技、秀でるもの、才能がなく、興味や趣味もない。そして選んだ道が人生を救ってくれたラジオに関わる仕事をするために、お笑い芸人になる。これすごい選択だなと思いました。彼のことはオードリー好きの僕はもちろん何年も前から知っていましたが、人間性の部分が見えるようになったのはここ数年でした。前へ前へ出るような積極的な方ではないな、ということはわかっていましたが、まさかここまで消極的な方だとは思いませんでした。なのでとても印象に残っていますし、本の中で佐藤満春という人間を印象付ける大きなキーになっているのではないでしょうか。

ただ、僕はこうも思いました。こんなに消極的な理由であれば、早いうちに諦めて次の仕事を探すことだって可能性として十分あり得たはずです。でも彼はここまで着実にキャリアを積み、芸人としても放送作家としても名を残しています。ということは、理由は消極的に見えるかもしれないけど、内には確かな情熱を持っていて、自分自身、その情熱を信じ、燃やし続けることができるほど、この仕事が大好きだし、この仕事を選んだのはある意味必然だったのでしょう。さらに、お笑い芸人としてブレイクした際に、ひな壇のような大人数の仕事は向いてないからテレビには出ずに放送作家の仕事を中心にしていこう、という自己分析力、そしてその判断力、速さ、実行力もすごいです。なかなか簡単にできることではないと思います。彼は本の中で幾度となく自分には特別な才能も能力も華もないと言います。でも僕からしてみたら十分すぎるほどの才能を持っていると思います。若林さんや春日さんにはないものを持っていると思うし、だからあの二人は彼を信頼しているのでしょう。その他大勢の方々も同様です。彼には選ばれるそれだけの理由があります。

 

あくまで個人的な感想です。本人に読まれたらセンスが無いと思われてしまうかもしれません。でもいいんです。僕はそう思いましたし、そう思う方は少なくないのではないでしょうか。

あと、こんな平凡な僕が言うのも恐れ多いですが、僕が今の仕事を選んだのも彼が芸人になったのと同じような理由だったので、印象にのこりました。僕の場合、大学時代の経験から、今の仕事以外で自分にできそうなのがなかったのです。しかも彼よりももっと酷いのが、僕は今の仕事にもとから興味ありません。今も別に興味ありません。入社したばかりの頃は、合わないと思ったらすぐやめようと思ってました。向いてないなと思うことも未だに頻繁にあります。ただ、今のところ面白いと思えるときもあるし、それなりに評価もしてもらえてるし、続けてみてもいいかなと思えるので続けています。特に上司に評価してもらえてるのが大きいです。まあうちの部署は人数少ないのでなんとも言えないのですが。評価してもらえるということは、少なからず向いている部分があるということなのでしょう。佐藤満春さんも本の中で似たようなことを書かれています。僕は彼の言葉を信じて頑張ろうと思います。

 

こんな感じです。僕は彼のように説明する力は著しく乏しいのでろくな感想文じゃありませんが、一言言えるのは、この本は僕にとって今後の人生において大きな指針となるだろう、ということです。何かでつまずいたり、悩んだりしたとき、彼の言葉が励みになるのだと思います。若林さんのエッセイと同じように。そしてこれからきっと何度も読み返すと思います。そんな貴重な本に出会えて本当に良かったです。

 

余談ですが、大学時代、自分自身に絶望して、もうまともな人生は送れないな、と思って自分の好きな「人を笑わせる」ということに一縷の望みをかけてお笑い芸人を目指したこともあり、スクールのオーディションを受けたりしました。でも僕には周囲の反対を押し切るほどの説得力も勇気も才能もありませんでした。最近は特に自分のつまらなさ、平凡さに落ち込むことが多いです。もしあのままお笑い芸人になっていたらと思うと、、、ゾッとしますね。。。僕はお笑いは画面の外から楽しみたいと思います。